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2007年8月25日

森の植物観察会「初秋の植物探訪」:村中レンジャー

森の植物観察会「初秋の植物探訪」を開催しました.
テーマは,秋を彩る花々の種類と花の役割:花の昆虫の関係です.

まだ残暑が厳しいこの頃ですが,植物の様子は急速に秋らしくなってきました.

森の夏には白色の花がよく目立ちましたが,秋になると,紫,青,赤系統の色の濃い花がよく目立つようになります.ツリガネニンジン,ワレモコウ,カントウヨメナなどが咲き乱れる草原を目の前にすると,秋だなあ,と感じます.

ネイチャーセンター前にてミズタマソウ,コボタンヅル,メハジキ,キツネノマゴ,トチカガミなどの植物を観察しました.


花の色や形には意味があります.メハジキの花は唇形で,現在はシソ科とよばれる科の名称も,かつては唇花科と呼ばれていました.小さな花ですが,淡紅紫色の花の奥に花蜜があります.花はタネをつくるため,昆虫に花粉を運ばせ,報酬として花蜜を与えるのです.昆虫ははじめ植物(花粉)を食べる食害者でした,激しい敵対関係の結果,現在では双方が利益を得ているように見えます.

花の中央には,色の濃い部分があって,そこが花蜜のある場所の証です.
果実も「食べられますよ」というサインを色に示します.
ホウチャクソウの果実,はじめは緑色ですが,中のタネが成熟すると果実は黒く変化します.赤や黒に変化した果実は鳥によって捕食され,タネが糞として出されてばらまかれます.色は食べ頃を知らせるサインです.
くっつくタネにも「くっつき時」があります.果実の枝が茎から外れやすく変化してタネの成熟を示します.

園路では,ハエドクソウ,アキノタムラソウ,ヤナギイノコヅチ,ヤブカラシ,ヤブタバコ,ヌスビトハギ,ヤブマオ,ツリガネニンジン,ワレモコウ,ヒヨドリバナ,コバギボウシ,クズ,ヤマハギなどたくさんの種類の花を観察しました.
花の形や色,向き(下向きか上向きか)で訪れる昆虫が違います.筒型の花,唇型の花,下向きの花などにはハナバチ類が訪れるでしょう.ハナバチ類は次々と同種の花に訪花するので効率的に花粉を運ぶことができます.しかし,それらの昆虫がいなければタネをつくることができません.ハナバチだけでなく,ハナアブ,チョウなど「何でも屋」の花は送粉に関しては効率的でないことがありますが,特定の昆虫に依存しているわけではないという保険があります.どちらがよいか,は何ともいえません.

観察舎付近ではクズ,ヤマハギの葉の開閉を観察しました.暑さを回避するための生理的な機構です.植物は光合成のために光が多ければよいというわけではありません.暑すぎるのは困りものなのです.
クズなどのように複葉をもつ植物は開閉が容易です.ススキなどのイネ科植物は葉を縦に折りたたんで回避します.

最後にエノコログサ,アキノエノコログサの小さな花を観察しました.イネ科の花は目立つ花弁などの器官はありません.風媒花です.めしべは細かく避けて表面積を増大させ,花粉を受け取りやすくしています.自家よりも他家の花粉と受精しやすいような特性も持ち合わせています.

まだまだ日中は暑いですが,秋らしい花を探訪し,植物の名前だけにとどまらず,植物の花の形や役割,昆虫との関係についてよく観察してみたら,新たな発見があるかもしれませんよ.

次回,森の植物観察会は9月29日(土)午前10時~開催予定です(ネイチャーセンター前集合)
また,9月23日(秋分)には特別ガイドツアーを開催します(午後2時~:ネイチャーセンター前集合)
詳しくはHPのスケジュールもしくはお問い合わせください.

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